あと書きです。
これは2003年の9月に、モバイルサイト『book in pocket』様への執筆を依頼されたことがきっかけで書いた話です。
今はもう閉鎖されましたが、初めて人様から「書いてほしい」と言っていただいた物なので、
この作品を元にできた人との繋がり、いろいろな経験を懐かしく思い出したりします。
私の書く物は、まず、登場人物の輪郭から入ることが多いです。
だんだんその人物像ができてくると、会話やシチュエーションが浮かんで、その中からひとつのテーマも出来上がっていきます。
この『てのひらにブルー』は、当時の担当様から「marienaさんらしさを大切にした物を書いて下さい」と仰っていただき、
できるだけ自分の色を出せる物を書こうと思った覚えがあります。
元ネタはですね、槇原敬之さんの『revenge』という曲です。何気なく聴いていて、こういう物を書きたい、と思ったので。
人との出会いと別れは、さまざまな形で現れて消えるものですね。
新たにできた繋がりが幸せな事なのはもちろんですが、
今現在会えなくなった人と過ごした時間が、自分にとって不幸なものとは限らないですし。
お互いに嫌いになっていなくても、会えなくなってしまう、繋がれなくなってしまうこともあるもので。
だからと言って、そのすべてをマイナスの物として封印するだけが結論ではないかな、と思います。
爽平が言った「いつか何かのエネルギーになる」は、ここまで生きてきた中で私が得たひとつの結論かもしれません。
どんなに大切な人でも、どこかですれ違った人でも、交わした言葉、一緒に過ごした時間は、
無駄にはならないし無駄にしたくない、と思います。
爽平がこれから過ごす時間の中には、確かに琴子が生きていて、彼の一部で支えになっている。
そうであってほしい、と思いながら書きました。
あら、何だか珍しくマジメなあと書きですね(笑)。
「自分らしい作品」て何だろうと模索しながら書いたので、いろんなことを考えました。
文章を書くというのは、自分の内側に降りていく作業でもあります。
うちの作品に出てくるキャラは、皆どこかに私のカケラを持っています。
そしてそんな私も、たくさんの人から貰ったカケラを繋いでここにいます。
この作品を書くきっかけを与えてくれた出会いにも、ここを読んで下さった方にも、感謝します。
どうもありがとうございました。
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