終演
めまいの中 走る階段
混んだホームすり抜けて
次の電車に飛び乗ったら
駅に着くまで流されそうに 一人
力をこめて 力をこめて
涙がこぼれないように
昨日のあなたの横顔
思い出さないように
くずれそうな時の呪文だったの
おやすみの電話の声と
おどけた笑顔
魔法が解けて この街も
当たり前に暮れていく
もう二度と
もう決して
上がることのない舞台